内柴正人(柔道男子66キロ級)、北島康介(平泳ぎ男子百メートル)の金メダル獲得で、盛り上がってきた北京五輪。過去五輪では、記録を超えて記憶に残る“お騒がせメダリスト”も誕生してきた。金メダルを上野駅で紛失した88年ソウル五輪レスリング男子フリースタイル48キロ級金メダリストの小林孝至氏(45)、そして「めっちゃ、悔しい」の流行語から電撃引退し、女優にまでなった00年シドニー五輪競泳女子四百メートル個人メドレー銀メダリストの田島寧子さん(27)。2人の足跡を追ってみた。
金メダリストとして凱旋し、パーティー帰りの上野駅(公衆電話)にメダル入りのセカンドバッグを置き忘れた小林孝至さん。メダルは2日後に戻ったが、その“青ざめエピソード”で一躍、人気者になった。
小林さんは、課長を務めていた自動販売機管理会社を昨年、退職し、現在、柔道整復師の国家試験を目指し、専門学校の学生として“第3の人生”に挑戦中。12日からのレスリング競技をスポーツ報知で評論するが、その前にタレント時代を振り返ってもらった。
メダル紛失騒動後、サラリーマンをやりながら、日テレ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演し、“いじられキャラ”でお茶の間に爆笑を呼んだ。「たけしさんや、さんまさんはうまい。下げながらも、結局は持ち上げてくれるんです」と信頼関係の中で、キャラクターを演じていたことを明かした。だが、同番組で金メダルを口に入れるという暴挙に出た高田純次に対しては「信頼関係なんかあるわけないでしょ」と吐き捨てた。
度重なるバラエティー番組の仕掛けに、笑顔で大人の対応を通した小林さん。「切れたことはないですよ。僕がマジ切れしたら、暴力事件どころではすまないでしょう。想像してくれたらわかりますよ」と格闘家としての殺気も。
「金メダルは僕だけのものじゃない。これをおちょくるのは、全競技者への侮辱です」と言い、今後、どんどんバラエティー番組への出演依頼を受けるであろうメダリストたちに取り扱いの注意を呼びかけた。
◆田島さんは女優“廃業”
田島寧子さんは、現在、女優を“廃業”し、OLとしてひっそりと暮らしている。00年シドニーで銀メダルに輝いたときのインタビューで飛び出した「めっちゃ、悔しい。金がいいですぅ」の名セリフはその年の流行語大賞で入賞した。
だが、01年7月に、20歳で突如、引退宣言。あこがれていた女優への転身を表明し、日体大を中退した。さらに「五輪なんか出たくなかった」との迷セリフで、恩師や日本水泳連盟を困惑させた。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」レギュラー出演などはあったが、女優としての勲章はなし。
東京都内の自宅で、母・英子さんは「今は一般人ですので、そっとしておいて下さい。競泳についてもコメントはしていません。北京五輪は家でテレビを見て楽しんでます」と話した。玄関先には競泳用のゴーグルがかけられており、水泳は続けているようだが、あの奔放なセリフはもう聞けないのか。
参照元:スポーツ報知