乗客乗員520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から23年の12日、遺族ら約200人が現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」へ早朝から慰霊のために登山し、夫や子どもの墓標の前で冥福を祈った。
標高1500メートルを超える尾根にはさわやかな風が吹き渡り、遺族らが飛ばしたシャボン玉が風に乗りどこまでも上っていくようだった。大阪府河内長野市の泉谷明造さん(74)の一家5人は長女淳子さん=当時(20)=の墓標の周りに生えた雑草を抜き、水をかけて清掃。淳子さんの好きだったコーヒーとクロワッサンを供え、「元気で頑張っているよ」と声をかけた。
横浜市泉区から来た井上晴子さん(56)は夫幹雄さん=当時(41)=の遺品の墜落時刻で止まった腕時計を握り締め、「これからも見守ってください」と手を合わせた。
尾根へ続く村道が土砂崩れで通行止めとなっているため、仮設歩道を設置。遺族らは村中心部からバスに乗り、崩落現場でいったん下車して仮設歩道を歩き、再びバスに乗って登山口まで向かった。
日本航空の西松遥社長は「昇魂之碑」で黙とうした後、「この現場は事故の悲惨さをまざまざと示している。年に1度はここで安全運航を誓いたい」と述べた。夕方にはふもとの「慰霊の園」で遺族や日航関係者らが参列し、追悼慰霊式が開かれる。
参照元:スポーツ報知