東京・亀戸の「香取神社」のお守り「勝守(かちまもり)が、ひそかに大ブレークしていることが10日、分かった。北京五輪柔道男子90キロ級代表の泉浩(26)=旭化成=も身につけていた「勝守」だが、今年に入ってからの売り上げは、すでに例年の3倍。以前もテレビなどで紹介されて一時的に評判になることはあっても、ここまで盛り上がったことはなく、宮司の香取邦彦さん(60)は「こんなことは初めて。本当に驚いています」と話している。
香取神社は「スポーツ振興の神」として知られている。「5000個追加注文したんですが、いつまで持つか。今までこんなことはありませんでした」と香取宮司が驚くのは、お守りである「勝守」(500円)の売れ行き。泉選手が2005年の世界選手権で身につけ優勝したという実績を持つお守りだ。
今年1月にテレビ朝日のニュースのワンコーナーでささやかに取り上げられると、翌日から買い求める人が殺到。「野球をやっている孫にあげたい」「子どものチーム全員にあげたい」と、数十個単位で買っていく人たちもいたという。
「勝守」がテレビで紹介されたのは、今回が初めてではない。04年のアテネ五輪バレーボール世界最終予選では、アイドルグループ・NEWSのメンバーが神社を訪れ柳本ジャパンのために「勝守」をゲットした。05年の世界柔道の前には、藤原紀香と加藤晴彦が参拝するシーンもオンエアされた。
しかし「一時的に注目を集めても、今回のように盛り上がることはなかった」と香取宮司。「今年は五輪の年というのが大きいでしょう」と北京効果を推測するが、NEWSが来た時も五輪イヤーだったことを考えるとナゾの大ブレークと言えそうだ。
例年、売れるのは600~700個。07年度は1月16日の時点で400個が売れていた。ところが放送をきっかけに2000個が売れ、入荷が追いつかずに予約待ち状態に。今年度も勢いは衰えず、4~7月で1800個に迫る勢いだ。
アテネ五輪のバレーボール予選では、柳本ジャパンは快進撃で五輪出場権を獲得。世界柔道も勝守を身につけた泉が金メダルをとるなど、実績は十分。最近でも北京に向け「友人がバレーボールで五輪に出るから贈りたい」と言う人や、代表選手の親類らしき人も買いに来たという。
勝守は、香取神社にゆかりのある武将らが授かったとの言い伝えから1985年ごろ、香取宮司の提案で復活。神社では4年に1回、五輪同年に「神幸大祭」も開催し、今年は開会式と同じ8日に始まった。香取宮司自身も学生時代は長距離走に打ち込んだという。「メダルを取った選手が『実は勝守を持っていました』と言ってくれたらうれしいですね」
◆亀戸・香取神社 「強さ」をつかさどる「経津主神(ふつぬしのかみ)」を祭った神社。665年、藤原鎌足が東国下向の際に神様を勧請(かんじょう)し太刀をおさめたのが起こりという。940年、弓矢の名手・藤原秀郷が平将門の乱を平定した際、闘いに勝った弓矢「勝矢」を奉納。以来、塚原ト伝や千葉周作といった、歴史上の剣豪から「武術の神」として信仰されてきた。現代では「スポーツ振興の神」として定着。氏子以外からも広く信仰を集めている。
参照元:スポーツ報知