岩手北部地震で震度6強を記録した岩手県洋野町で、防災行政無線を通じて緊急地震速報などを知らせる「全国瞬時警報システム」(J-ALERT)の運用を停止していたため、住民に情報伝達できなかったことが26日、分かった。
町によると、4月にシステムの運用を開始。震度4以上の情報を伝えるよう条件設定した。しかし、6月21日に大雨注意報を警報として流す不具合があり、情報が自動的に流れないようにした。このため今回の地震で作動しなかった。
町はシステムが正常に機能するよう、所管する総務省消防庁と試験した上で運用を再開する。
このシステムは人工衛星を活用して気象庁の緊急地震速報や津波警報などを伝える仕組み。
岩手県釜石市はシステムが自動起動する基準を震度5弱以上に条件設定していた。今回、緊急地震速報の初報が震度4だったために立ち上がらず、住民に素早く伝えることができなかった。
自動起動までに要する時間の短縮を求める声も出ており、6月の国会で消防庁は検討する方針を示した。岩手県のある自治体の担当者は「うちの場合は12秒かかる」と不満を漏らす。
消防庁の担当者は技術上の限界も指摘する。「衛星経由のため、今回の岩手県沿岸のように震源が近い場所ではシステムの速報より先に揺れが来てしまう」。一方で近い将来の発生が予想される宮城県沖地震の津波情報を例に挙げ「地震発生から沿岸への津波到達まで約30分とされており、システム活用で避難行動につながる」と意義を強調した。
参照元:nikkansports.com