「クマのプーさん」「ピーターラビット」シリーズなどの翻訳で知られ、4月に101歳で亡くなった児童文学者石井桃子さんの取材ノートや初版本など翻訳活動の足跡をたどる貴重な資料が26日から、さいたま文学館(埼玉県桶川市)の「石井桃子とピーターラビット―海外の児童文学を子どもたちへ―」展で初公開される。
石井さんはさいたま市出身。初公開となるのは東京の自宅書斎で翻訳に使った原書や翻訳見本、初版本など30点。読み聞かせた子どもの反応を見て推敲(すいこう)を重ね、初版本が出た後も大胆に手を入れ続けた石井さんの翻訳過程が分かる未公開資料から「原文を超える翻訳」の魅力に迫る。
「ピーターラビットのおはなし」の翻訳見本には、初版本とは異なる翻訳案が鉛筆で下書きされたり、付せんで付けられたりしていた。ファージョンの童話集「ムギと王さま」の初版本からは改訂のための加筆が数十カ所見つかった。いずれも幼い子どもたちのために、石井さんが言葉の響きや文字の配列まで気を配った様子がうかがえる。
また65歳当時、翻訳のために英国旅行した際の取材ノートには、ピーターラビットの原作者ビアトリクス・ポターの人柄を詳しく知るための住民へのインタビューや、シリーズを訳す順番の案が細かく書き留められていた。初公開資料のほかに、翻訳家になるきっかけとなったミルンの「クマのプーさん」の原著など約100点も展示する。
同展は9月7日まで。
参照元:スポーツ報知