英会話学校の最大手だったNOVAが経営破たんして26日で半年を迎えた。「安心して働ける場所はどこにあるのか」。事業継承先の企業に新天地を求めた外国人講師や社員は、事実上の解雇や減給といった「逆風」にさらされている。
NOVAは昨年11月、居酒屋などを展開するジー・コミュニケーション(名古屋市)のグループに事業譲渡。ジー社によると、同12月末までに外国人講師約1400人を雇用したが、3月末までに約400人が退職した。日本人社員も約420人まで減った。
再び教壇に立てると期待していた英国人の男性(51)は今、ハローワークに通っている。自宅待機の後、2月に九州転勤を求められた。「身重の妻がいて難しい」と言うと契約解除を迫られた。「ジー社を信じ、NOVAの時と同じ轍(てつ)を踏んだ」と悔やむ日々だ。
フランス人の女性(32)も職を失った。教え子たちが出資して授業の場を設ける話もあったが、「生徒に負担を掛けるのは忍びない」と、5月に帰国することを決めた。
ジー社は、講師の大量退職について「未払い賃金が払われ、帰国を選んだ人が多かった」と説明するが、講師が加入する労働組合は「不当解雇だ」と反発している。
一方、日本人社員の立場も安泰ではない。ジー社の人事制度では「毎月格付けを見直し、降格一人に対し昇格が五人いる」というが、ある社員によると、目立った失敗もないのに降格され、大幅な減給をやむなく受け入れた人もいる。
別の社員は「NOVAと同等の待遇のはずが変わってきた」と退職を決意。ジー社は来年3月に975教室を目指す計画を打ち出しているが、「NOVAの野放図な姿を想起させ将来も不安だった」と打ち明けた。
◆NOVA 猿橋望(さはしのぞむ)氏が1981年に大阪で創業。安い受講料と積極的なテレビCM戦略で、「駅前留学」などを売り物に英会話学校最大手に成長した。受講料返還トラブルなどが相次ぎ、昨年10月に会社更生法の適用を申請。ジー・コミュニケーショングループ(名古屋市)に事業譲渡した。ジー社はNOVAの名称も継承し、3月末までに約200教室を再開。フランチャイズ化で急拡大を目指す一方、外国人講師の雇用をめぐる騒動など破たんの余波も続いている。
参照元:スポーツ報知