「ノンちゃん雲に乗る」などの小説や「クマのプーさん」「ピーターラビット」シリーズの翻訳で知られる児童文学者で日本芸術院会員の石井桃子(いしい・ももこ)さんが2日午後3時半、老衰のため東京都内で死去した。101歳。さいたま市出身。近く「お別れの会」を開く。
日本女子大卒。出版社の編集者時代、英国の作家A・A・ミルンの「プーさん」に出合い、児童文学の道に。プーさんの翻訳書を手掛ける一方で、1947年に発表した初の創作「ノンちゃん雲に乗る」がベストセラーに。55年、子役の鰐淵晴子さん主演で映画化もされ、空想の世界に遊ぶノンちゃんは子どもたちの人気者になった。
その後もビアトリクス・ポターの「ピーターラビット」やディック・ブルーナさんの「うさこちゃん」のシリーズなど多くの海外作品を翻訳、日本の児童文学の発展に貢献した。
編集者としても、岩波書店で「岩波少年文庫」の創刊(50年)などに携わった。欧米で児童文学や図書館を調査研究し58年、東京・荻窪の自宅を開放して子ども図書館「かつら文庫」を創設。その歩みを「子どもの図書館」として出版、全国に多くの子ども文庫ができる原動力になった。
自伝的小説「幻の朱い実」で、95年に読売文学賞。97年に日本芸術院会員。晩年もミルン自伝の翻訳や執筆活動などを繰り広げ、100歳を過ぎても児童文学への熱い思いを持ち続けていた。
参照元:スポーツ報知