農林水産省は2日、政府が製粉会社へ売り渡す輸入小麦の価格について、今年4月から30%程度の大幅引き上げに踏み切る方針を固めた。近日中にも正式発表する。国際穀物相場の高騰や、原油高などを映して海上輸送のコストが上昇しているため。昨年4月の1・3%、同10月の10%の引き上げに続く措置となる。
売り渡し価格の引き上げを見込み、「カップヌードル」などが主力の日清食品が再値上げを検討。めん類やパンの値段がさらに上がることが予想され、家計への打撃は必至だ。
日本は国内の小麦需要の9割弱を輸入に依存。昨年4月に国際相場に連動して売り渡し価格を決める新しい方式を導入し、24年ぶりに値上げした。小麦相場はその後も最高値圏での取引が続いているため、政府が買い取る価格に補助金などを加えると1トン当たり7万円を超え、「大幅値上げが避けられない」(農水省幹部)という。
相場の高騰は〈1〉バイオ燃料の利用が広がり穀物需要が急増〈2〉中国などの経済発展に伴う食糧需要の増大〈3〉オーストラリアの干ばつによる不作など地球規模での気候変動―などが背景にある。
国際穀物相場の指標となるシカゴの小麦先物市場は、約1年前に比べ2倍の水準となる最高値圏で取引。穀物争奪戦が繰り広げられているという。
政府は売り渡し価格について、昨年4月に1トン当たり4万8430円、10月からは5万3270円にそれぞれ引き上げた。これを受け、製粉各社が食品会社向けの業務用小麦の値上げを決定。山崎製パンが同12月の出荷分から食パンの価格を24年ぶりに引き上げた。
◆輸入小麦の売り渡し価格 国際相場や為替動向に連動させ、製粉会社への売り渡し価格を決める。輸入小麦は全量を政府が買い取り、国内農家への補助金などを上乗せして販売する。4月の改定幅は、昨年6月から今年1月までの8カ月間の主要5銘柄の加重平均価格を基準に決定。現在の輸入相手国は米国、カナダ、オーストラリアの3か国だが、量の確保が難しくなった時に備え調達先の多様化が課題になっている。
参照元:スポーツ報知