自民党は8日、次期衆院選の候補者調整をめぐる“女のバトル”で注目を集めていた岐阜1区について、公認を野田聖子元郵政相(47)とし、佐藤ゆかり衆院議員(46)を東京5区の公認として国替えさせると正式発表した。ゆかり氏と野田氏は、党本部でツーショットの和解会見に臨み、2005年の郵政選挙から続いた“900日戦争”が終結。ゆかり氏は新天地決定に「最高」と満面の笑みを見せたが、地元支援者にはぬぐいがたい不満やしこりが残ったままだ。
午後5時13分。自民党本部9階の会見場で、ゆかり氏と野田氏が握手すると、無数のフラッシュが光った。表情を崩さない聖子氏の隣で、ゆかり氏は白い歯を見せニッコニコ。岐阜1区の刺客として浮上した2005年8月20日から数え、実に903日間にもわたった大戦争が終結した。
「政治のイロハを岐阜の皆さんに教えていただいた。ご縁は生涯、大切にしたい」と頭を下げたゆかり氏。続けて「世田谷区出身だが、政治活動はゼロからのスタート。気持ちを入れ替えまい進したい」と、新天地にかける思いを力説。
明らかにいつもと違った。会見に先駆け、ゆかり氏は東京都連の会合で幹部と初顔合わせ。報道陣から「新居の居心地は?」と呼びかけられると、居合わせた幹部の「最高」の声に反応し、「最高で~す!」と満面の笑み。「ゼロから頑張りま~す」と、いつにないハイテンションで報道陣を驚かせた。
ゆかり氏と野田氏は、次期衆院選で協力する確認書に、古賀誠選対委員長らと共に署名。会見でもゆかり氏が「私の後援会の方々には、野田先生のために戦っていただきたい」と語るなど、互いにタッグ結成を強調した。
日本史上、薩長同盟以来ともいえる歴史的和解。表面上は大団円だが、残されたのはぬぐいきれない違和感と、地元のしこりだ。見え隠れする党本部の演出に、記者からは「(ゆかり氏は)党に利用されたのでは? との声がある」との質問も上がった。
ゆかり氏は「そういう思いはしていない。私は自民党が好きで、20歳のとき海外から『入党したい』と電話したほどだ」と、意外な“自民ラブ”のエピソードを披露。支援者には、国替えの経緯を「懇切丁寧に」説明していくとした。
党本部を出る際「(確認書に署名し)どんな話をしたのか?」と聞かれたゆかり氏は「お茶を一杯、飲んだだけです…」と、いつもの“ゆかり節”に戻っていた。
【ゆかり議員の今後】ゆかり氏は11日に岐阜市内で、支援者を集めてパーティーを開く。岐阜1区公認が野田氏に内定したと報じられるより前から予定していたものだが、ゆかり氏の国替えが決まり、これまで袂(たもと)を分かってきた野田派の市議や県議も出席の見込み。「声をかけ合っていこうと思う」と、ある野田派議員は語った。
ゆかり氏はこのパーティーで、支援者に一連の経緯を説明し、その後、本拠地を岐阜から東京5区に移す作業に入る。しばらくは、岐阜に事務所と秘書1人を残しながらも「実動部隊は早急に東京に入り、足場を固めるべき」という声が上がっているという。
◆地元「ばかにしている」
○…ゆかり氏転出会見が行われた8日夕、地元の岐阜市では佐藤派の地元議員から「岐阜をばかにしている」などと憤りの声が上がった。佐藤氏を支援してきた県議の一人は「納得いかない。党本部も佐藤議員も、岐阜市民をばかにしている」と憤慨。市議の一人は「有権者は佐藤氏が岐阜を見捨てたと思うのでは」と困惑していた。
参照元:スポーツ報知