33年ぶりに与野党三つどもえとなる大阪府知事選(27日投開票)が10日告示され、タレントで弁護士の橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=ら無所属新人5人が立候補を届け出た。橋下氏は自身の生い立ちを語る浪花節で初の街頭演説。府庁前ではこれまでの“解体”論を封印し、一転「皆さんの盾になります」など府職員にアピールした。元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新推薦=は、民主党の菅直人代表代行らが脇を固めての第一声。共産推薦の梅田章二氏(57)は名前にちなみ、阪神・梅田駅前から出陣した。
「2万%ない」発言を翻した先月12日の出馬表明から約1か月。橋下氏の生まれて初めての選挙戦がスタートした。午前9時過ぎ、大阪・難波駅前での初街頭演説には、約1300人が集結。「大阪が大好きなんです! 大阪に育てられました」「皆さまに笑顔を取り戻せるように、とにかくトライを決めたい!」と大阪・北野高校ラグビー部出身らしい第一声。まずは絶叫調で支持を訴えた。
タレント弁護士として、抜群の知名度を誇る橋下氏。大阪駅前、今宮戎など訪れる先々で、次から次へと握手を求められ、カメラ付き携帯電話を向けられた。高い人気を証明したが、告示前に「解体」を宣言し「ちゃぶ台をひっくり返す」と発言していた大阪府庁前での演説では一転、府職員を前に意外なお願いをしてみせた。
「皆さんの盾、サンドバッグになります。一緒にスクラムを組んでください。ワンフォーオール、オールフォーワン。ぜひ私と一緒に大阪を立て直しましょう」と平身低頭で、これまでとは正反対の主張。府庁を“守る側”にひょいと立場を翻してみせた。
「汗をかかない方は去ってくださってかまいません」とも話したが「歴史上始まって以来の大改革をしましょう」とオーバーな協力要請も。いきなりの「解体」から「盾」への方向転換に、握手を求める橋下氏への職員の反応は微妙。その5分後に到着した熊谷氏の方が拍手の数は上回っていた。
この日は午前6時半に起床し、自ら府庁へ立候補を届け出るなど精力的に動いた橋下氏。遊説では細かい政策論は一切なしで「メディアでの問題発言連発で、なんべん謝ったか分かりません」と自虐ネタを織り交ぜながら、高校時代のあだ名(原子力潜水艦)を披露するなど、テレビで鍛えたトークで聴衆を引きつけた。
午後8時、初日の演説を終えた橋下氏は「ジムでいろいろ鍛えてたけど、のどは鍛えてなかった」と笑顔。軽妙さを駆使しながら、知名度に頼る戦略が、奏功するか注目だ。
◆熊谷氏「名無しタスキ」
元大阪大大学院教授・熊谷氏は「ユニークタスキ」をお披露目。タスキには普通、候補者自身の名前を書くが、なぜか青地で「生活が第一」の5文字。マスコットキャラクター「ガリちゃん」のタスキには「あんた誰?」と、熊谷氏への絶妙なツッコミ…。
橋下氏とは雲泥の差がある知名度を逆手にとった陣営の作戦。「奇をてらって注目してもらおうと。『今までにないタスキやないか』となって、(有権者に)話を聞いてもらいたい」と陣営関係者は説明。大阪・北区の事務所で行われた出発式では、菅氏らに見守られながら約500人の前で第一声を上げた。
◆大阪府知事選立候補者
梅田章二(57)無新
橋下 徹(38)無新
熊谷貞俊(63)無新
杉浦清一(59)無新
高橋正明(65)無新
(届け出順)
参照元:スポーツ報知