◆北京五輪 柔道男子100キロ級(14日・北京科技大体育館) 柔道の男子100キロ級・鈴木桂治(28)=平成管財=は、1回戦でまさかの一本負け。敗者復活戦でも一本負けを喫し、日本選手団主将は、1勝もできないまま五輪の戦いを終了。試合後、第一線から退くことを明かし、事実上の引退を宣言した。鈴木の一戦を会場で見届けたシドニー五輪金メダリストで6月に引退した井上康生氏(30)=綜合警備保障=が、スポーツ報知に観戦記を寄せた。
衝撃的な敗戦だった。1回戦のツブシンバヤル(モンゴル)戦。1分26秒、相手のもろ手刈りに鈴木の体が浮き上がると、そのまま畳にたたきつけられ一本負け。敗者復活1回戦でもベールラ(ドイツ)にわずか34秒で一本負け。「何やってんだろう」とめどなく涙があふれた。
日本選手団主将が敗戦…。主将としての重圧は「特に感じてなかった」というが、前回大会の井上康生ら過去3大会で日本の主将は“金逸”。ジンクスは今回も破れなかった。柔道人生の集大成を懸け、万全の状態で五輪史上3人目の2階級制覇に挑んだが敗戦。「今の自分は空っぽ。やり残したことはない」と現役引退も示唆した。
日本男子にとっても痛い敗戦だ。鈴木は五輪、世界選手権を制している日本のエース。悪い流れを断ち切ることを期待されたが、まさかの早期敗退を喫した。「これ以上ない状態で臨んでもああいう結果になる。これは何だろう」斉藤仁監督(47)も首をひねるばかり。日本男子は66キロ級・内柴正人(30)=旭化成=の金メダルの流れに乗れず、逆にその後の強烈な引き潮にのみ込まれてしまっている。残るは競技最終日の石井のみ。「何も考えず思い切ってやってほしい」日本のプライドは、21歳の若武者に託された。
◆地元応援団ため息 ○…鈴木の地元、茨城・常総市(旧・結城郡石下町)の石下総合体育館では試合開始前から、同級生や鈴木が3歳の時から通っていた石下体協柔道部の生徒ら約100人が集結。「必勝」と書かれた鉢巻きをしめて、声援を送った。だが、鈴木が1回戦で敗れ、敗者復活戦でも敗れると「何で…」「あ~」などのため息が。81キロ級に出場し敗れた小野卓志(了徳寺学園職)も石下町の出身。当初はダブル金も期待されていたが、2人とも初戦で苦杯をなめたとあって、誰もが肩を落としていた。
参照元:スポーツ報知