◆北京五輪 テニス(11日・五輪公園テニス場) 男子シングルス1回戦で、期待の錦織圭(18)=ソニー=はウィンブルドン選手権4強のライナー・シュットラー(32)=ドイツ=に4―6、7―6、3―6で惜敗した。第2セットで0―5から追いつく粘りを見せたが、故障発生もあって力尽き、男子シングルスの日本勢では1924年パリ大会以来84年ぶりの勝利はならなかった。
握手を終えてベンチに戻ると、錦織はラケットを叩きつけた。カクテル光線が照らす夜のコート。「いいプレーができていたのに…。五輪は夢だったから悔しい」最後はフォアハンドがネットにかかった。
強敵に第1セットを奪われ、第2セットも0―5と絶体絶命。ここから驚異の粘りを見せた。強烈なサーブと積極的な攻めを披露。第8ゲームに2度、5―6の第12ゲームに3度で計5度のマッチポイントをはね返し、タイブレークをものにした。「男子で0―5から取り返すのは難しい。よく取った」と竹内映二代表監督をうならせたが、代償も大きかった。
第3セット途中、腰に痛みが走り、タイムを取って2度もトレーナーに治療を受けた。終盤は痛みとも闘った2時間48分の死闘だった。
6月23日のウィンブルドン選手権1回戦で全治4~6週間の腹筋痛を負って以来の実戦。父・清志さん(52)は「普通なら無理をしてツアーに出場したけど、大事を取ったんだと思う」と気持ちを思いやった。
5歳でテニスを始めて以来、五輪にかける思いは格別だった。小学2年生の時は作文に「五輪で金メダルを取りたい」と書き、通常のツアーとは持つ意味が違う舞台を夢見続けてきた。「2セット目もいつもならあきらめていた」。選手村では卓球男子で天才と評される同世代の水谷隼(スヴェンソン)と話し「本当にモチベーションが上がった」という。
将来性を買われ、推薦枠で今大会のテニス男子最年少出場にこぎつけた世界124位。拠点の米国に戻り、19日から全米オープン予選に臨む。18歳の夏は終わったが、「(4年後)のロンドンも狙う。優勝したい」と宣言。小2のころの夢は、必ずかなえる。
参照元:スポーツ報知