◆第90回全国高校野球選手権記念大会第14日 ▽準々決勝 慶応3―4浦添商=延長10回=(15日・甲子園) 慶応(北神奈川)が浦添商(沖縄)に延長10回、3―4で敗れた。浦添商は11年ぶりの4強進出。沖縄悲願の夏制覇まであと2勝に迫った。
苦しんだ分だけ、喜びが大きかった。延長10回、2死二塁。リードはわずかに1点。浦添商・伊波翔悟は捕手のサインに首を振り、この日最速の145キロを投げ込んだ。高々と上がった飛球を山城一樹がホームベース前でつかむと、バッテリーはガッチリと抱き合って跳びはねた。「絶対打たせないという気持ちで投げました。優勝したのと同じくらいうれしかったです」。真っ黒に日焼けした顔から、白い歯がこぼれた。
3回戦・関東一(東東京)戦で3試合連続完投した前日(14日)の夜、神谷嘉宗監督(53)に「あしたは上地(時正)で行く。行ける準備をしておけ」と告げられた。県勢初の深紅の大優勝旗を手にするための戦略だった。上地時正―島根博士とつなぎ、1点リードの7回からマウンドに上がった。
だが、スライダーは抜け、最速148キロの直球もほとんどが140キロ前後。2本の適時打を浴び、いきなり逆転を許した。「調子はよくなかったけど、最後まで気迫は持ち続けました」。ピンチをしのぐたびにほえ、ガッツポーズを繰り出して味方の反撃を呼び込んだ。
沖縄勢にとって、97年の浦添商以来の4強進出。今春センバツは沖縄尚学が制した。同一県の異なる学校による春夏連覇は史上初で、そろってベスト4すらない。「上地(時正)と島根が6イニング投げてくれたのは大きい。この勢いで準決勝、決勝と勝って沖縄に帰りたい」。陸の王者を撃破し、歴史的偉業に大きく近づいた。
◆左手首痛何の!山城が2打点
○…山城一樹が左手首痛を抱えながら2打点の活躍。「うれしい。最高です」。頑張る理由があった。3回戦終了後、父・義弘さんのもとに6年間行方不明だった親類から「試合を見て感動した。自分はいったい何をしているのだろう」と連絡が入ったのだ。「小学6年の時から会ってないんです」。全力プレーで親類に勇気を与えた。
参照元:スポーツ報知